ニキビは種類によって治療法が異なります。それぞれのニキビの治し方を書いていきます。
ニキビは、進行段階や種類によって治療法が異なります。以下に、各ニキビの種類ごとの治し方を書いていきます。
白ニキビは毛穴が詰まった状態で、炎症はありません。治療には、以下の方法が効果的です。
- 外用薬・・・ディフェリンやベピオなどのピーリング作用のある薬を使用して、毛穴のつまりを解消します。
- 適切な洗顔・・・優しい洗顔料で、過剰な皮脂を取り除くのも、効果的です。
※ディフェリンとベピオは、ニキビ治療に用いられる外用薬です。
ディフェリン
ディフェリンは、主に、白ニキビや炎症が起きている赤ニキビに使用される治療薬です。効果としては、皮膚のターンオーバーを促進し、毛穴の詰まりを防ぐことでニキビの発生を抑えます。通常、夜間、洗顔・保湿した後、使用します。
副作用としては、「使用している約80%の人に、皮膚の赤み、乾燥、皮が剥ける(落屑)、ピリピリしたり化粧水がしみるなどの皮膚刺激、約60%の人に皮膚の乾燥、約50%の人に皮膚の不快感(ピリピリしたり化粧水がしみる)、約30%の人に皮膚がむける、約20%の人に皮膚の赤みの症状が見られ」るようです(https://mbcl.co.jp/article/133/ から引用)。これは、「これはディフェリンゲルの効果によって皮膚の角質細胞が減り、角質層が薄い状態になることが原因」(https://mbcl.co.jp/article/133/ から引用)なのですが、そのために服用をやめてしまう方もいるようです。
ベピオ
ベピオは、ベピオの成分である過酸化ベンゾイルは、海外では50年以上前から使用されているニキビ治療薬です(https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/bepio.html から引用)。抗菌作用とピーリング作用があります。アクネ菌の増殖を抑え、毛穴の詰まりを改善するため、白ニキビだけでなく、赤ニキビ、黒ニキビを同時に治療することができます。
また、年齢問わず、小~中高生の思春期ニキビや大人ニキビの方にも使えるのも、この薬の特徴です。使用は1日1回、洗顔後に行います。
ベピオには新たにローションタイプも登場しており、ゲルよりも使用感が良く、副作用も少ないとされています。
黒ニキビは白ニキビが酸化したものです。治療法は白ニキビと似ていますが、異なる部分を追加します。
- ピーリング・・・サリチル酸やグリコール酸などを含む洗顔料や化粧品を使用して、毛穴の黒ずみを取り除きます。
サリチル酸やグリコール酸などを含む洗顔料や化粧品を使用する理由は、以下の点にあります。
1. 角質の除去
サリチル酸には「角質を柔らかくする、ピーリング作用」(https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/34_nikibi/index2.html から引用)があり、古い角質を効果的に取り除くことができます。これにより、毛穴の詰まりを解消し、黒ニキビの悪化を防ぎます。
2. 毛穴の清浄化
グリコール酸には、「皮膚の一番外側にある角質の細胞に働きかけ、細胞同士の結合を弱めます。これによって、角質層をばらばらにして角質を剥がします」(https://www.shinagawa.com/article/topics/content423 から引用)という効果が期待できます。黒ニキビは毛穴が詰まって酸化した状態であるため、新陳代謝を促進することで、毛穴を清潔に保つことができます。
赤ニキビは炎症が起きている状態です。治療には以下が推奨されます。
- 抗炎症薬・・・外用薬や内服薬で炎症を抑えます。
- 皮膚科受診・・・重症化する前に専門医の診断を受けることが重要です。
赤ニキビには、外用薬と内服薬の両方があります。状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
外用薬
赤ニキビには、以下のような成分の外用薬が効果的です(カッコ内は商品名)。
-アダパレン(ディフェリンゲル)・・・皮膚のターンオーバーを促進し、毛穴の詰まりを防ぐことでニキビの発生を抑えます
- 過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)・・・抗菌作用とピーリング作用があり、アクネ菌の増殖を抑え、毛穴の詰まりを改善します
- サリチル酸・・・角質を柔らかくし、毛穴の詰まりを取り除きます
外用薬は、赤ニキビの部位に直接塗布するので即効性があります。ただし、使用初期は皮膚の乾燥や赤みが出る、といった副作用が起きる場合があります(1. 白ニキビ ディフェリン 副作用 参照)。
内服薬
赤ニキビが多発している場合や、外用薬だけでは改善が見られない場合は、以下のような内服薬が処方されます。
- ミノマイシン、ビブラマイシン(テトラサイクリン系抗生物質)・・・アクネ菌の増殖を抑制し、炎症を和らげます(ただ、「ミノマイシンは比較的副作用が多いお薬です。特徴的な副作用として、めまい・吐き気があり、特に高用量を服用した場合に起こることが多い」(https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/minomycin.html から引用)ようです)
- ビタミンB2、B6・・・肌のターンオーバーを促進し、ニキビの再発を防ぎます
内服薬は体の内側からアプローチするので、根本的な改善が期待できます。ただし、直接患部に影響を与えるわけではないので、効果が現れるまでに時間がかかります。
使い分け
- 炎症が強く痛みのある場合は、抗生物質の内服薬と外用薬を併用するのがおすすめ
- 赤ニキビが多発している場合は、内服薬から始めて外用薬を追加するのが効果的
- 外用薬だけでも改善が見られる場合は、外用薬のみでも十分
赤ニキビは、状況に応じて外用薬と内服薬を使い分けることが大切です。早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。
黄ニキビは膿を持つ炎症性のニキビです。治療法は以下の通りです。
- 抗生物質・・・テトラサイクリンやミノサイクリンなどの内服薬を使用します。
- 面皰圧出・・・膿を取り除くための処置を行うことがあります。
※面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)・・・ニキビの治療法の一つ。毛穴に詰まった皮脂(コメド)や膿を取り除くことで、ニキビの症状を早く、綺麗に改善することが出来ます。黄ニキビに限らず、すべてのニキビの症状に効果があります。
施術の流れ
1. ニキビの表面に非常に小さな穴を、清潔な細い針やレーザーを使って開けます。
2. 面ぽう圧出器という専用の器具を使って、毛穴に詰まった皮脂や細菌を押し出します。
特徴と利点
- ニキビの早期治療
- ニキビ跡が残りにくい
- 同じ場所にニキビができにくくなる
デメリット
- 自由診療(保険が適用されない)ため、費用負担が大きい
面皰圧出は、ニキビの初期段階での効果的な治療法として広く利用されているものの、費用の負担が大きいので、医師とよく相談した上で、どの治療方法にするのか、決めた方がいいですね。
紫ニキビは最も進行した状態で、膿と血液が混ざっています。治ったとしても高い確率でニキビ跡が残るのがほとんどです。
治療方法
治療方法について調べたところ、採用している方法がクリニックによって異なるようです。それぞれの治療方法により、メリット・デメリットがあると思います。以下は、主だった治療方法です。カッコ内は、紹介されていたサイトのアドレスです。
- 切開手術・・・膿や血液を取り除くために、メスを使った治療が行われることがあります。
- ステロイド局所注射・・・炎症が強いニキビにステロイドを使用することで、腫れや痛みを和らげる効果が期待できます。(https://shibu-cli.com/acne/purple-nikibi/)
- 抗菌薬・・・炎症を伴った状態なため、面ぽうの治療と併用して抗菌薬の内服や外用を行います。(https://shibu-cli.com/acne/purple-nikibi/)
- ピーリング・・・酸性の薬剤をお顔に塗布し、肌表面にある古い角質を溶かして取り除き、ターンオーバーを促して新しい皮膚の生成させます。(https://www.onishiskinclinic.com/blog/20230420.html)
- レーザー治療・・・ニキビの原因菌を、殺菌・鎮静する効果があります。(https://www.tokyoisea.com/acne/knowledge/purple-acne.html)
紫ニキビの治療法が多岐にわたっているのが、理解できたと思います。紫ニキビは、重症化したニキビなので、セルフケアではなく、専門医の診察を受けて治療した方が良さそうです。
これまで紹介してきた他のニキビにも言えることですが、それぞれのニキビの状態に応じた適切な治療を行えば、早期の改善が期待できます。